2011年1月15日土曜日

イカメンの読書日記

こんにちは!2010年の総括もあと7か月分ですが、年末から新年にかけて読みきった本の内から3冊を紹介します。お暇なかたがたは、どうぞ覗いて見て下され、、、但し、推敲は一切してません。単なるいつものなぐり書きレベルですじゃ、あしからず。

それは、 「読書のすすめ」を主催する清水克衛氏が勧めていた
「『また会おう』と誰もが言った」喜多川泰 著
一昨年来、イカメンが注目してきた音楽家辻井伸行君の母が書いた
のぶカンタービレ!~全盲で生まれた息子・伸行がプロのピアニストになるまで」
辻井いつ子 著
それから、何故か好きとまでは言わずも気になる老将軍の
「野村主義 ~勝利への執着力」野村勝也 著        であります。

それでは、始まり始まり!
○トップは、「また誰」?から、

この本について、最初は自分がどうして予約したのかが、全く思い出せなかった。1月15日にポッドキャスト「読書のすすめ」清水克衛の2010年総括を聞くまでは。彼が、ある出版社に推薦の帯まで書きながら没となったが、サンマーク出版の人間に是非と勧めた事がきっかけで、11月に出版にこぎつけた本当にホヤホヤの新刊だったのだ。ところが、これが「小さな人生論」藤原秀昭氏に負けず劣らず素晴らしい内容であった。何度ももらい泣きをし、感動した。

高校生の男の子がついた嘘から物語りは始まる。浦安のディズニーから熊本へ帰ろうとするが、飛行機に乗り遅れるところから、多くの人に出会い自立して行く過程が、実に生き生きと描かれる。最初に出会った売店のおばちゃんに居候の極意を教えられる。それは、まるで「トイレの神様」・以前流行った「トイレ掃除で運気が上がる」・元気な会社の社長自らが素手でトイレを洗う等々にも通じるものがある。

ただ、それだけではない、働くと言う事、職種を越えた、人生で大切な事を教えてくれた大人達の裏側の苦悩もきちんと描いているのだ。他人には、惜しみなく親切や気付きを与えながらも、身内には不器用なくらい伝えられないでいる人々、空港の売店のおばちゃん、その別れた長男が働く美容院の店長、それから派出所の警官、トラック運転手とその娘、フェリーで出会った医者、老人等々の人生絵巻が凝縮された良い本であった。思わず嫁にも嫁?と言ったら、読んだ尻から(?)泣いていた。 てへっ!!


○次は、「のビレ!」である。

生まれつき全盲の辻井伸行君の出生から、おもちゃのピアノ(但し、カワイ楽器だからかなりまとも)を誰に教わることもなく、両手で弾き始め、その才能に気付くフリーアナウンサーであった母と子の二人三脚の天才誕生物語。

思ったらすぐに行動に移す(「閃いたらためらわない」←見習おうと思うのじゃ!)と言うこの母親があったからこそ、天才ピアニストは生まれた。佐渡裕が、聞いていて涙を流し、彼に世界の舞台への扉を開いた。三枝成彰がプロの覚悟を教えた。そして、何人もの専属のピアノの先生達が、彼の成長に合わせて、ショパンコンクールに至るまで、片手ずつの録音を元に彼を支援した。ファイナリストにはなれなかったが、ポーランド批評家賞を受賞し、CDが製作された。そして、彼はその後ヴァン・クライバーン・コンクールに、同点優勝するのだ。この辺りから、一般の人々にも有名となる。

健常者と同じ環境を与え、美術館にもきれいな景色も見せた。彼には視覚障害者にありがちな色彩感の欠如がなく、豊かな色彩が感じられると言う。これは、以前イカメンが、絶対音感者と話した時に確認できた音と色すなわち脳の中で視覚と聴覚が結びつく人たちがいたことからもなるほどと頷けるものだ。加えて、彼は、ピアノの演奏を会場全体の響きをコントロールしながら弾く事が出来る。自分が真に音楽を楽しみ、聴衆との幸せの好循環を生み出す事を体全体で感じている。舞台の上で今まさに生きている感じが伝わるそうだ。やはりこれは生で聞いてこそ初めて分かることなのかも知れない。← ん?これって、どこかで聞いた様な、、、そう、ラベルは天と地ほど違うが、既にこのブログで紹介したイカメンの演奏に来訪者が投票してくれて、大賞を貰った時に主催の先生達に質問して帰ってきた答えに酷似してはいまいか>○< わオ!


ともかく、この本を読了して、すぐに、思わずヴァン・クライバーン・コンクールのライブ版をiTuneで購入した次第である。「カンタービレ」とは、もっともっと 歌うように と言う音楽用語のようだ。

○最後がノムさん本だ。

彼が、生来の苦労人でいかにプロ野球の世界でトップに這い上がってきたか、その為に泥臭く見える外見とはまるで異なる時代の先端を行く大リーグ並みの頭脳プレーを取り入れ、データベースを構築し、戦略戦術を使い分けていたかが書き込まれた本である。

1.監督業は、「判断だけでなく決断出きる」ことが肝要である。

2.「怒られたこともないひ弱な人間」や「軽い人材」が量産される時代だからこそ、厳しさを受け入れる生き方を選んだほうが、将来のためになるはずだ。浮ついた風潮など気にすることはない。」

3.プロ野球チームのオーナー企業はその時代の経済を見事に反映している。娯楽産業花形時代の映画会社《東映ファイターズ》地域開発全盛の鉄道会社《阪急ブレーブス》《西鉄フライアーズ?》《阪神タイガース》《西部ライオンズ》、IT産業の時代(ソフトバンク)(楽天)へと。

しかし、気になるのは、楽天のように球団を単なるビジネスとしか捉えず、企業理念は立派でも、とどのつまりは人間というものが分かっていない。経営トップの現場への関り方を見ていれば良く分かる。

4.私は、「ボヤキ」という概念を「理想主義の証である」と定義する。なぜなら何の目標も掲げず、無目的に行動している人間には不平や不満など沸いてこないからである。彼がボヤくのは、闘う準備を怠り、根拠のない配球や何も考えずに打席に立った末の、問題意識の感じられないミスに対してのみボヤく。

5.『勇将の下に弱卒なし』人の上に立つ者は毅然とした態度で勝負に臨み、決して怯まない。その心を強く持っていれば、自ずと組織はつられて強くなる。それが優れたリーダーの基本原則。選手のしでかした無用なミスも突き詰めると指揮官の資質に原因と考える。敵を外部に求めるな、挑む相手を自分の中に見出してこそ、成長の道が開けると、、、(これは、ミスが起きた場合と言う限定つきのことだと思う。)

6.性格の役割分担について、ピッチャーはプラス志向である種向こう見ずが良い、キャッチャーはマイナス志向で慎重に分析観察洞察して配球をする。その両者が合体して「バッテリー」は成立し、調整を行うのがキャッチャーとの持論。

7.米国詩人サミュエル・ウルマンの『青春』を持ち出すが、これが良い。『人は信念とともに若く、疑惑とともに老いる。人は自信とともに若く、恐怖とともに老いる。希望のある限り若く、失望とともに老い朽ちる』『青春とは人生のある期間をいうのではなく、心のあり方のことだ』

8.また、こうも野村は言っている。『情報に対して貪欲であること、固定観念を捨て、先入観を排除することが柔軟な思考を生む。蓄えた知識は思考を通して知恵となり、創造力を生むきっかけとなる。その繰り返しが一つの信念。』

『勝負を左右するような重大な局面でピッチャーが妙なこだわりを持って臨み痛打されるケースがある。それをメディアは持ち上げるが、現場からすれば、そのような個人的な解釈は団体競技の理念を捻じ曲げる妄言である。打たれたピッチャーは満足でも、巻き添えを食って敗者となったチームメイトはどなのか?』

人生とは人に生かされ人を生かすことが出来てこそ、人として生まれ、人として生きていくことが出来る。社会《チーム》との関りの中で自分の力をいかに発揮し、最終的にはその社会《チーム》にいかに貢献できたかで、その人物の価値は決まる。と言うこれは至言であり、我が意を得たりと思った。

9.さらに、彼が認める『個性』とは、「組織にとって有効な個の特性」であり、チームの役に立たない個性など、承認する訳には行かないと断言する。 

10.鶴岡監督が野村に放った罵倒に対して、「綸言汗の如し」指揮官が一度口にした事は、部下にとって大きな意味を持ち、ときには取り返しのつかない断絶を生むことにもなると言う。「勝利」の結果を求めるならば、そのプロセスである「人」をまず育てなければならない。言葉は指揮官にとっての「命」であり、わずかな言動が選手を奮い立たせ、あるいは傷つけることを思い知っている。すなわち、人間にとってもっとも深い欲求とは、「自己重要感」である。自分が重要な存在だと他人が認めていると感じることで、それは万国共通、誰もが生来抱いている欲求だ。だからこそ、指揮官はタイミングを逃さず、適切な褒め言葉をかけ、「小さな成功体験」を味あわせて、その積み重ねが「自信」という最大の「無形の力」を作り上げるきっかけとなる。『育成とは、自信を育てることに等しい』

⇒これは、親が、上司が、教師が、肝に銘じる真理だ。近代日本の基礎を築いた後藤晋平の言葉「財を遺すは下、仕事を残すは中、人を遺すは上とする」で締めくくられる。

さすが、老将ノムさん!少なくともココに書き抜いたあなたの考え方に大いにイカメンは賛同するのである!!

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